一枚の画用紙に二人が向き合い、自由に描く、というワークが、感性アートメソッドにはあります。

創造的マインドで仕事も人生も楽しくするヒント
~人生を変える創造体験の場 感性ラボ~

ある日のワークでのこと。
その中でとても素敵な、融合された絵を仕上げたペアがいました。

一人に聞くと、
「とても有意義でした」とのこと。
そしてもう一人に聞くと、
「しんどかった…」との回答。

こういったアートを使った対話のワークでトレーナー側は、
つい、美しいもの、均整の取れたものを良しとしがちです。

感性アートメソッドを教育で取り入れる場合に、
先生方に学んでほしいことは、「空」の感覚です。

教育のシーンとなると、
どこかにリードすべきだと思いがちです。

協力や友情など、良さそうな信念に導かれ、
みんながそこに向かうシーンを思い浮かべてしまうこともあることでしょう。

感性アートメソッドのワークでは、
トレーナーは、できる限りゼロベースで受け止めることを大切にしています。

目的が、自分の答えを引き出し創ることだからです。
そこで重要なのが、「気づき」だからです。

さて、他のペアは、どうだったでしょう。
とてもシャイな男性二人がいました。

こちらは最後まで、おたがいが交わることはありませんでした。
それぞれが、画用紙の角に小さな絵を描きました。

彼らは、「相手をじゃましてはいけない」
と、フィードバックしてくれました。

トレーナーの私も、新鮮な驚きで、
その画用紙に描かれた空間を眺めていました。

後日のことです。

そのシァイな男性の一人が、
新しく参加した人とアートワークをしたことがあります。

新しく参加した人は少しずつ、
相手の描いたものに自分のアイデアを足しました。

するとそのシャイな男性も、過ごしずつ応じました。

ワークを終えて私はまず、
今回新しく参加した人に、フィードバックを求めました。

「邪魔したら怒るかなと思って少しずつ、相手の方の領域に手を伸ばしました」
「でも、相手の方が反応してくれて、ホッとしました」
とのことでした。

それを聞いたシャイな男性は
「自分はそんなに相手に気を使わせてるんですね」
と、フィードバックしてくれました。

答えのない時代は、答えを創る時代だと、私は思っています。

まず大切にしたいのは、「自由に描くこと」。
そして、そのことを通じて「気づく力」を身につけることも重要です。

アートで対話をする、
というワークを通じて、自分を知る。

こうしたメタ認知力を高めるワークを、
感性アートメソッドでは実践しています。

クリエティブ・クリエイター岡田裕之